重水素実験に反対し、実験に同意する協定書に調印しないことを求める

 

2013年1月18日 岐阜県知事への申し入れ書


岐阜県知事 古田 肇 様

  • 「菜の花会」  代表 和田悦子
  • 「多治見を放射能から守ろう!市民の会  代表 井上敏夫
  • 「核のゴミから土岐市を守る会」  代表 永井新介
  • 「埋めてはいけない核のゴミ実行委員会・みずなみ  代表 市川千年

核融合科学研究所の重水素実験に反対し、実験に同意する協定書に調印しない事を求める申入書

 

 

県民の幸せのために日々奮闘されている貴職に敬意を表します。

岐阜県は、土岐市、多治見市、瑞浪市とともに、核融合科学研究所(以下、「核融合研」という。)との間で、同研究所が計画している重水素実験の実施に同意する協定書を今年度中に締結する意向です。
これについて、私たちは重水素実験に反対で、この実験に同意する協定締結はすべきでないという立場です。その理由を以下に述べますので、貴職の見解を文書で速やかに明らかにしてください。

 

  • ① 福島原発事故では、いまでも、多くの人が高い放射線量のため自宅に戻ることすらできない状況が続いており、また放射性物質の放出による環境汚染も広範で深刻です。こうした状況を考えれば、どうしてあらたに放射性物質のトリチウムや放射線(中性子線)を発生させる重水素実験を容認できるでしょうか。福島原発事故の教訓に学べば、重水素実験に反対するのは当然です。
    核融合研は、原発と核融合は違うと強調してきました。しかし、核分裂反応と核融合反応の違いはあるものの、共に核反応であること、共に放射線、放射性物質、放射性廃棄物を発生させることでは同じです。
  • ② 核融合研の計画では、放射性物質のトリチウムは年間最大で555億ベクレル、一回3秒間の重水素実験で1億ベクレル発生します。核融合研は一貫して「微量なトリチウムが発生」すると説明してきましたが、この量は決して微量ではありません。
    トリチウムは、水素の仲間で体内に取り込まれやすく、遺伝子を傷つける危険があり、内部被ばくが心配な放射性物質です。核融合研は発生するトリチウムの95%を捕捉し保管すると説明しますが、トリチウムの捕捉は難しく、重水素実験と同じ環境で実証されたデータもありません。また、核融合推進の学者もトリチウムの安全な取り扱い技術が確立されているとは言えない、と語っています。
    それ故、この重水素実験を、近くに小学校もある人口密集地で行わせてはなりません。
  • ③ 重水素実験で発生する中性子線量は、当初の計画では、ヘリカル装置の中心部で1回10秒間の実験で50万ミリシーベルトです。計画変更後でも、実験による年間中性子発生量は、1999年に起きた東海村JCO事故で発生した中性子の量の5倍です。「微量な中性子が発生する」という核融合研の説明に反して、大量の中性子が発生します。
    この中性子が発する中性子線は、突き抜ける力が強い放射線です。ヘリカル装置が収納されたコンクリートの建屋の壁は2メートルの厚さで、原発の建屋の壁の厚さと同じです。それほど大量の中性子と強力な中性子線が発生するあかしです。
  • ④ 重水素実験では、原発と同様、大量の放射性廃棄物が発生します。それは、中性子線がヘリカル装置や建屋のコンクリートにあたりあらたに多様な放射性物質を作り出し、それらは実験終了後放射線などを発する放射性廃棄物となります。
    核融合研の資料によると、ヘリカル装置の真空容器などのステンレス鋼材に26種類もの放射性物質が作り出されます(資料1)。また、そのうち、10種類の放射性物質はその毒性が半分になる半減期が1000年以上です。核融合研の資料によると、こうした放射性物質はステンレス鋼材以外に、「ヘリカルコイル」、「ボロイダルコイル」、「コンクリート」にも作り出されます。
    この中性子の放射化作用により生成される放射性物質について、核融合研は全く説明していません。ただ質問があれば、放射性廃棄物については、40年くらい管理すれば安全なレベルになると回答するくらいです。しかし、半減期が千年以上の放射性物質も数多くあり、その説明は間違いです。
  • ⑤ 核融合研は「公正中立な第三者の専門家、市民」から構成されている安全評価委員会で、重水素実験の安全性が確認されたとしています。また、岐阜県と東濃3市もこの安全評価委員会の安全確認をよりどころにして今年度内の同意の方向を打ち出しています。
    しかし、この安全委員会の委員16名について調べたところ、核融合推進の専門家が5名、原子力を推進してきた専門家が5名含まれています(資料2)。すなわち、委員の過半数を超える専門家は核融合研の理解者で占められており、重水素実験の安全確認は既定の結論でした。さらに、委員のなかには、核融合研の重要事項を審議・決定する核融合研の運営会議のメンバーである人さえいます。「公正・中立」とは名ばかりです。
    貴職はこのことについて核融合研に抗議すべきです。そして、重水素実験の実施に同意する協定書調印を今年度中に行うという方針を白紙撤回してください。

    (申入事項)

    1. 中性子線や放射性物質のトリチウムを発生させる重水素実験に反対してください。
    2. 重水素実験に同意する協定書に調印しないでください

    以上


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